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2012年1月22日
お父さんは、真冬の山へ潮干狩り(シジミ採り)に・・
それは、2011年の忘年会のことだった・・
最近、やたら食のことにうるさいクリタ氏曰く、
(以前は乳化にうるさかったのにねえ・・)
「うちの近所の川でなあ、シジミがムッチャ採れるねん!」
「シジミ?」
「あんな山奥に?」
「川に?」
「ほんまにシジミか?」
にわかに信じられないのは、わしだけではあるまい。
クリタ氏の家は、わしと同じく東近江市の鈴鹿山系の麓にある
ものすごく田舎なのだ。

(鈴鹿山脈の麓・・)

(こっちを向いても山・・)
「おまえん家の近くに、川なんかあったっけ?」
やたら食のことにうるさいクリタ氏曰く、
「川と言っても、むっちゃ小さい川でなあ・・」
「うちの親父が、おとといも、ちょこちょこと行って枡に6杯も採ってきよったぞ」
「ほれは、食えるのか?」
やたら食のことにうるさいクリタ氏曰く、
「昨日も食ったけど、ムッチャ旨かったぞ!」
「ほうか・・それは、ぜひいっぺん、わしも採ってみたいな・・」
シジミと言えば、わしは島根の松江に住んでいた頃、
宍道湖で採れる黄色いシジミをよく買っては、食ったものだ。
現在でも、滋賀県のスーパーに売っているシジミは宍道湖産のものが
ほとんどで、琵琶湖産のものは売っていない。
昔、うちの親父の若かりし頃、琵琶湖でキャンプした際、
手で掘ればいくらでもシジミは採れたそうであるが・・
琵琶湖は汚れてしまったので、シジミはいなくなったのだろう・・
うちの家族でも、三重県の河口に潮干狩りに行って
アサリを採るつもりが、シジミ採りになってしまったことは
記憶に新しい。
「そもそも、シジミとは、汽水湖や河口付近の栄養たっぷりな
砂地に生息するものではないのか?」
という風に、わしは理解している。
うちは、昔おじいちゃんが木こりや炭焼きをしていたくらい
山には、馴染みがあり、岩魚やアマゴの住む渓流もたくさん知っているが、
「シジミが採れる川」なんぞは聞いたことがない。
水が綺麗過ぎる清流では、シジミは採れないのではないか?
という疑問がある。
「これは、ぜひ謎を解明しなければなるまい・・」
と、わしが考えるのも当然であろう。
今年は、天気周りが悪いのと、仕事が詰まっていたこともあり、
この2ヶ月メバルを釣りに行けていない。
「ここらで、一発シジミを当てよう!」
やたら食のことにうるさいクリタ氏を信じてみようではないか!
さて、土曜日に、やたら食のことにうるさいクリタ氏に電話してみると
どうやら本人は、まだシジミを採ったことがないらしく、
もっぱら親父殿が、ちょいと採ってくるらしい。
「ちっちゃい、ちっちゃい川らしいぞ」
「この時期は、さすがに寒いやろなあ・・」
「長靴やら、潮干狩りの道具はあったほうがいいやろなあ・・」
とのことなので、メバル釣りの防寒用具で完全防備していくことにする。
一晩空けて、朝、やたら食のことにうるさいクリタ氏からTELあり。
氏曰く、
「川の幅は40cmくらいしかないらしい」
「角スコップとザルがあったほうがよいらしい」
「水には浸からんでよいらしい」
と、さらに不安な新情報が追加された。
「うーむ・・40cmって、側溝くらいしかないぞ・・」
「ほんまにシジミなのだろうか?・・」
「こんな真冬に果たして・・」
「行くしかあるまい・・」
さて、10時にやたら食のことにうるさいクリタ氏邸に着きました。
氏曰く、
「コンクリートの溝や!」
「採れる範囲は10mほどらしいわ!」
「へ?・・なんで、そこにしかおらんの?」
「上流とか下流にはおらんの?」
「親父も探しよったみたいけど、そこにしかおらんらしい・・」
「親父が子供のころから、そこにはおったらしいわ・・」
「なんか、特別な条件があるんかのう?・・」
「こりゃ、調べてみないかんな・・」
「おお!ほんまは探したら、どこにでもおるんかもしれんぞ!」
やたら食のことにうるさいクリタ氏邸から、数百m、
たんぼのあぜ道を車で走りかけると、
「ここや!」
「えっ?川なんかあったか?」
「ちょっと待て!」
「あの近所のおっさんが散歩しとるやろ!」
「あそこの溝や!」
「今、採ったら、あのおっさんにばれてしまうでな・・」
「ここらの人らも、まさかここでシジミが採れるとは知らんとるでな・・」
わしらは、おっさんが行ってしまうまで待機しておりました。
ここで作戦を立てます。
「何してんの?」とたずねられたら、
わしが学校の先生ということにして、
「生き物の学術調査をしてます・・」
と答えることにした。
ついに、わしは問題の川(側溝)に立ちました。
「こ・・これが?・・」

(角スコップと比べると川の大きさがわかります・・)
側溝はなんの変哲もなく、どうやらコンクリートのU字溝のようです。
水は綺麗で豊富に流れており、そこには小石交じりの砂が
深さ6〜7cm敷き詰められています。
じっと覗き込むと、そこにはシジミの貝殻が敷き詰められたように
並んでいるのが見えます。

「え?・・これシジミ?・・生きとんのか?」
潮干狩りにいくと、よく貝殻だけが散らばっていて
がっかりさせられることがあります。
「貝塚になってるのでは?・・」
という不安を抱えつつ、スコップですくってみました。

(角スコップで掬ったところ・・)
「うわっ!なんやこれ!」
「しじみだらけや!」
「うわっ!これ全部生きとるわ!」
「しかもでっかい!」

(ふるいにかけたところ・・スコップ一杯分)
改めて川底を覗いてみると、小石よりもシジミのほうが多い。
大きいやつだけ選って半分元に戻しましたが、
スコップに4回も掬うと、
「こんなに食えんなあ・・」
というほどのシジミが採れました。

(スコップ4杯分・・)
ほんの10分ほどの漁でした。
「ほんまに、ここにしかおらんの?」
「調べてみよう・・」
上流には、すぐにコンクリート枡があり、

(こんな感じ・・)
その上流のU字溝には、砂は一切ありません。
むろん、シジミは生息していません。
下流は、やはり、砂が少なくコンクリートがむき出しになっており、
ところどころ、溜まった砂にわずかにシジミが住んでいるのが見えます。

(下流は少ない・・と言っても多いか・・)
さらに下流に行くと、泥がたまっており、
シジミの姿は0になりました。
「ううむ・・なんでや?」
「なんで、ここだけ砂があるんや?」
見ると、側溝の土手の土が少し崩れていて
そこから、側溝の中に土が入ったのではないかと思われます。
流れる水の勢いもかなりのものなので、
山土の砂だけが、この部分に溜まったのではないかと思われます。
水は、このあたり一帯は、どこでも山から1年中側溝を流れているそうです。
「砂の条件さえあれば、この辺には他にもシジミがおる可能性があるな・・」
暖かくなったら、自転車で一度周囲を探索してみたいと思います。

(やたら食のことにうるさいクリタ氏の雄姿・・ 昔は男前・・)
シジミの場所については、やたら食のことにうるさいクリタ家の秘密であり、
場所は公開しないことを約束しておりますので、ご勘弁ください。
また、わしが独自にシジミの生息条件について
新たに発見しましたら、報告させていただきます。
あ・・肝心のシジミですが、味噌汁にしたところ
まったく、泥臭さがない上品なお味でした。

「さすがに山のシジミは違うのう・・」
しばらく、シジミ汁が続きそうです・・
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