2002年11月17日
日曜日・・
朝 起きると とてもよい天気であった・・
ぽかぽかと のくとい日である・・
釣りは長らく ごぶさたしている・・
今日は もなみがバレエの練習なので わしと たつとは暇だ
わし 「 釣りに いこか?」
たつと 「 え〜〜 いやや〜 」
わし 「 何? バレエを 一日見てるだけでもいいのか?」
たつと 「 どっちも いやや!」
わし 「 どっちも いややけど どっちがいい?」
たつと 「 う〜ん・・ほなら 釣りにしよかな・・」
そういうわけで 半ば強引に敦賀へ 行くことにした・・
子供には 自然に親しむ場が 必要である・・
このとき既に AM11時
真昼間なので おそらく小あじは 無理であろう・・
縄間の 一文字なら あるいは カマスか メバル
ひょっとしたら グレが 釣れるかもしれない
このHPの掲示板で 教えてもらった メバリング
( ルアーでの メバル釣り・・)も ちょっとやってみたい・・
最近のわしは どう悟りを開いたのか
行く前から 釣り方を 決めないようになっておられる・・
その場の状況に応じて 釣り方を考えるようになっておるらしい
おそるべし プロ・・
その道具だては たいてい延べ竿 3.6m 5.4m ルアー竿2本
仕掛けは ポケットに入るほど ごく少ない・・
今日は 3号小あじ用サビキと 0.9gジグヘッドと
スクリュウテイルの極小グラブ
さらに アミエビと サシアミを買った・・
しめて2000円・・
縄間の 『でんべえ』に到着し いつものようにボートを借りようと
呼び鈴を押すが ちっとも返事が無い・・
玄関も窓も開けっ放しで テレビの音も聞こえている・・
「 こんちわあ!」
「 こんちわあ!」
裏に回ったり 窓から首を突っ込んだり
たつとと どなりまくったが いっこうに返事が無い・・
「 やむをえまい・・ あそこで 釣ろか・・」
一文字へ渡る前の 砂浜の突堤で 釣りをすることにした
底は 砂地で 急深になっており 底は見えない
とりあえず たつとの サビキ仕掛けを こしらえて アミエビを撒いた・・
( 3号サビキ 3.6m 延べ)
わしも サビキをこしらえ
( 3号サビキ 5.4m 延べ)
「 おっ! 深いやんけ ・・」
と 底をとったとたん 根がかりし 仕掛けを全て 失ってしまった・・
「 なあにい〜!」
あとは ずっと前に買った 1号サビキしかない・・
( 1号・・5cmくらいの小あじ用 ハリス0.4号 道糸0.6号・・)
「 こんでいいや・・」
アミエビをわんさと撒き 竿は置き竿にして 昼飯のアンパンを
食っていると わしの竿が 海面に 突き刺さった・・
「 むむっ!」
「 ボラか?・・」
のたり のたりと 揚がってきたのは 40cmくらいのボラであった
「 たつと! すくってくれい!」
「 おおっ! でっけえ〜」
と たつとが もたもた しているうちに ハリスが切れてばらしてしまった・・
「 まあ ええほん・・」
ボラなので ちっとも 惜しくない・・
ここで メバリングというやつを 少しやってみようと
極小ジグヘッドに 極小グラブを刺して アオリのエギング用に使っていた
PE0.6号糸 の仕掛けに セットし
「 軽すぎて 沈まんなあ〜」 と 竿を左に つーと 動かすと
ぐぐっ と 当たりがあり いきなり メバルが釣れてしまった・・
「 おおっ! すごいやんけ!」
もう一回 同じ動作をやってみると
また 釣れてしまった・・
「 たつと! 来てみい!」
たつとに 竿をもたせて 同じように動かしてみると
メバルが 追いかけてくるのが見え たつとにも一匹釣れた・・
「 う〜ん これは すごいな・・」
しかし 次に たつとが一匹バラスと メバルが反応するのが見えるが
あとは ちっとも釣れないのであった・・
「 見破られたな・・」
そうこうしているうちに わしの 延べ竿は また 海中に突き刺さっており
今度は 50cm級のボラが 暴れるのであった・・
こいつは 釣り上げてやろうと がんばったが 糸が細すぎて
やはり 切られてしまった・・
「 まあ ええか・・ボラやし・・」
と 思っていると
「 なにやってるんだ! 糸ゆるめたら あかんやんか!」
はっ と振り向くと 近所の御隠居さんらしき人が
仁王立ちで 立っておられた・・
「 糸 ゆるめたら あかんで!」
「 せっかく 大きかったのに もったいない・・」
わし 「 いや・・ こんなちっこい針に掛かりよったし・・」
「 あかんで 糸ゆるめたら・・」
耳が お遠いらしい・・
「 刺身にしたら 美味いのに・・」
「 え・・?」
そういえば 冬のボラは 鯛より美味いと聞く・・
水の美しいここのボラなら あるいは・・
わしは 針を2個飛ばされた サビキ仕掛けにチヌ用2号針を 結び
再び 仕掛けを投入した・・
すかさず 当たりがあり 水面まで姿を見せたが また 糸を切られてしまった・・
「 くそお・・ また 小さい針に掛かりやがったか・・」
再び 仕掛けを投入して待っていると
たこ釣り師が 現れた・・
「 今日は ぜんぜん あかんわ・・」
といいつつ わしの横へ 仕掛けを投入した・・
「 むむっ!」
でっかい リールを そろそろと巻いているところをみると
当たりがあったのか?
「 とりゃあ〜!」
と 抜きあげると でっかい タコが揚がってきた
「 やっと 釣れたわ!」
と タコ釣り師は 意気揚揚と 去っていった・・
ぽかんと していると 再びわしの竿が ごんごん揺れている
竿が満月にしなり ボラが 姿を見せた
今度は チヌ針に掛かったらしい
さんざん 楽しんだ挙句 わしはとうとう ボラをタモに 収めた・・
「 どうじゃい!」
と 後ろを振り返ったが ご隠居は既に おられない・・
しかし・・
突堤の 真後ろの民宿の窓に 人影が見える・・
「 さては・・ あそこから見張っていたな・・」
案の定
「 これ・・ どうしよかな?・・」
と 悩んでいると
「 お〜 釣れたか・・ おお 大きいがな・・」
すかさず 「 これ 食えるんですか?」 と聞くと
「 おお ここの魚は水がきれいやで 刺身でも 天ぷらでも 美味いでよ・・」
「 やはり・・おっしゃ! 刺身にしよ・・」
と クーラーに入れようとしたが
わしのクーラーは プロ小物用なので6リットルしかないため 入らない
しょうがないので はさみで 首を切り
アミエビ溶かし用アミ袋に入れ 海へ漬けておいた・・
しかし いつのまにやら たつとは
「 やったあ! でっかい でっかい 」
・・と 振りまわしては 海へほうり込み 引きずりまわしていたのであった・・
「 まあ 血抜きが出来て ええか・・」
その後も 当たりがあり おそらくは60cm級のやつが掛かったが
がんばっているうちに 道糸をぷっちんと切られ 尻餅をついてしまった・・
さて・・
帰宅して おそるおそる ボラの刺身に挑戦したが
料理しても 臭いはなく たいそう美味であった・・
歯ごたえは ヒラメのようで 味は タイのような・・
もなみも たつとも
「 もっと ちょうだい!」
と言うので あっという間に 売り切れてしまった・・
今後は ボラも 貴重なわしの ターゲットになるであろう・・
メバルも 夜にやれば 大量に釣れるような気がする・・
気がする・・だけ
2002年11月24日
あ〜 本日は 晴天なり・・
先週 ボラを食って以来・・ わしは
「 ボラは美味いな・・ あいつやったら 何匹でも釣れるわい・・」
さらに
「 メバルは ちゃんと ルアーやったら じゃんじゃん釣れる・・」
という 2つの考えに 囚われている・・
あれから わしはネット上で いろいろ教えを受け
上州屋にて
2lb フロロカーボンライン
がまかつ コブラヘッド 1g
白と赤 グラスミノー
白と 黄色 スクリューテイル グラブ
パワーシラス
なんぞの 極小 ワームと
アジ用8号サビキ ハリス1.5号 ( ボラに使用・・)
を 買い揃えた・・
「 完璧や・・」
今週も もなみはバレエの稽古・・ ( 発表会が近い・・妻は付添い)
「 たつと 釣りに行くぞ!」 と わしが誘うと
「 え〜〜! また〜 いやや〜 」
「 ほなら バレエを一日中 見て居たいか?」
「 ほんなん かなん・・」
「 まあ・・釣りも行ってみたらおもしろいがな・・
今日は おまえに大きいやつを 釣らしたるさかい・・」
そう・・このとき既に わしの頭の中には 密かに一つの構想が渦巻いていた・・
そいつは・・
ボラが掛かったと思われる魚信が
あったなら なにげに 「 たつと 竿上げてみい!」 と声を掛け
たつとに 大ボラを 釣らせてやろうというものである・・
たつとは おどろいて 「 助けて!」と 言うだろうが
わしは 「 自分で 釣りなさい・・」と 威厳に満ちた声で 言うのであった・・
・・で 「 竿を立てい!」 「 魚の顔を出せい!」
と かっこよく指示し さんざん暴れまくったボラは
わしのタモに掬われるのであった・・
たつとは たいへん感動し それ以来 釣りキチになる・・
かような 構想である・・
さて・・AM10時に出発した わしらは コンビニでクリームパンを買い
一路 敦賀の縄間に向かった・・
先週の突堤は ちゃあんと空いていた・・
「 よしよし・・」
先週より 潮が引いており 底が見えてしまっている・・
「 ちょっと まずいな・・」
と 仕掛けを投入し 餌を撒いたところで
突然 大きなクルーザーが 突堤に横付けし
ガソリンを入れ始めた・・
エンジンは ドルンドルン・・と掛けっぱなしで 排ガスの臭いもひどく
しばらくは 釣りにならない・・
「 よし! メバリングを やってみましょう・・」
と 隣の突堤へ軽装で行ってみた・・
ルアーを 投入するとすぐに メバルが出てきて ルアーを追ってくるのが
丸見えである
しかし ルアーを咥えても 端っこだったり すぐに吐き出したりで
なかなか 針に掛からない・・
なんとか 4匹を釣り上げたが その後は プイと そっぽを向かれてしまった・・
「 やっぱり 昼間は無理か・・」
そうこうしているうち クルーザーは 船出していったので
元の突堤に戻って 釣り始めた・・
撒き餌をしていると 餌取りに混じって 大きなメバルが何匹も
泳いでいるのが 見える・・
「 おおっ! メバルやんけ!」
・・と ルアーを とっかえひっかえ投げるが ルアーが前にくると
プイと 横を向かれてしまう・・
オキアミを付けて 極細糸でねらっても 食わない・・
「 くそお・・ 今度 絶対 夜きて 釣ったるしな・・」
そろそろ2時半・・ このままでは ボウズである・・
ボラのサビキ仕掛けには キュウセンと フグしか掛からない・・
「 もう 帰えろ・・」
と たつとは 飽きている・・
「 まずい・・」
「 もうちょっとだけ・・な 」
・・と 言っているうち また 延べ竿に キュウセンらしき
小さい当たりがあった
「 またか・・ たつと 上げてみ・・」
「 ん?・・ひっかかったか?」
延べ竿は 根掛かりしたように 上がらない・・
底のほうで ギラリと 銀色に光った!
「 おおっ! きよった! たつと! ボラや!」
「 うわああ!」
先週のやつより 大きい・・ 50cmくらいか・・
たつとは 海に引きずりこまれまいと ずりずりと 後ろに下がっていく・・
「 あかん! 前に出て 竿を立てい!」
それでも たつとは 下がっていく・・
こわいのか?・・
竿が のされている・・
「 あかん! もっとこっち来い!」
プチン! と音がした
さーっ・・と血の気が引いた・・
「 ああ〜! ばれたか!」
潜っていく ボラが見える・・
「 あれ?・・」 ボラはまだ 掛かっているようだ・・
「 まだ 付いとるぞ!」
なんとか たつとに竿を立てさせ ようやく わしはタモで掬うことに成功した
「 おお〜!」
わしの手は 震えていた・・
自分やったら こうはならないであろう・・
まさに 予定していたとおりになったのだ・・
ボラの口に掛かっていた針はやはり ハリスが切れていた
しかし もう一本の針が 暴れているうちに 腹にしっかり刺さったため
逃げられなかったらしい・・
近所の子供達が 3人 だーっと 集まってきた・・
「 え〜? なにこれ?」
「 すっご〜!」
「 こんなところで 釣れたん?」
「 おっちゃん いつ来たん?」
質問攻めであった・・
たつとは 恥ずかしそうである・・
手尺で測ると 50cm強・・
刺身には 充分である
その場でわしは 血抜きをし うろこを取り はらわたを処理した・・
帰りの車で いつもなら寝てしまう たつとも今日は寝ない・・
「 来週も行くか?」
「 いやや! 来週は 遊ぶ!」
「 次の週は?」
「 ええで・・」
少しは 釣りも気に入ったらしい・・
やっぱり ボラは美味かった・・
鯉のアライに 似ているようだ・・

50cm強の ボラ・・ うろことって 腹出してますので
やせて見えます・・ |

ボラの刺身・・
美しいですねえ・・ |
 大物を釣って 喜びのあまり
泣く たつと・・ ・・うそ |
でも もうボラはいい・・
充分に食った・・
どうしても あの間抜けな顔が 食欲を失わせる・・
今度は 夜 メバルを ジャンジャン 釣ってみたい・・
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